簿記がわかってしまう魔法の書

読んだ目的
家業の現状をしっかり把握するために、簿記の知識が必要だと感じていました。
とはいえ、当時の自分は「簿記の“ぼ”の字もわからない」状態。そんな初心者の自分でも理解できる、わかりやすく説明してくれている本を探していました。
読んでよかったところ
この本は、「魔法の豆」のストーリーを軸に、簿記の基礎を一通り解説してくれます。
おかげで、簿記の世界にすんなり入っていくことができました。
具体的によかった点は以下のとおりです:
- 1円・10円単位など、小さな数字で例を出してくれるので、数字アレルギーでも混乱せずに読める。
- 図解が多く、視覚的に理解しやすい構成になっている。
- 日常的な出来事を例にとって説明してくれるため、身近に感じられる。
- 少しだけ練習問題もついていて、実際に手を動かすことで理解が深まる。
- 読み終わるころには、「もっと簿記の勉強をしてみたい」と思えるようになっていた。
特によかったのは、最後の章で「損益計算書」と「貸借対照表」から読み取れる情報が一覧で紹介されていたところ。
しっかり基礎を学んだあとだからこそ、より深く知りたくなりました。
つまづいたところ
つまづいたのは「勘定記入」の部分でした。

本の中ではこう書かれています:
2つに分けた取引を、左と右に分けて記録することを仕分と言います。試算表の左側項目の増加は左に、減少は右側に書きます。同じように、右側項目の増加は右側に、減少は左側に書きます。
この説明から、「簿記の記載は、左右で定位置が決まっていて、減少したら反対側に書く」というルールがあると思い込んでしまい、勘定記入も同じように考えて混乱しました。
しかし読み返しているうちに、こんな記述を見つけて、ようやく腑に落ちました:
勘定に記載すべき最も重要な情報は「金額」です。左に仕訳された金額を左に、右に仕訳された金額を右に記載します。大事なことなので繰り返します。「左は左に、右は右に」です。
その他の情報、日付や反対側の勘定科目は、単なる補足情報です。場合によっては、なくてもよいものです。
「補足情報ってことか」と思えた瞬間、モヤモヤが晴れました。ややこしいけど、スッキリしました!
メモ
左は借方、右は貸方
左右の均衡を表した「資産+費用=負債+資本+収益」の式は試算表等式とよばれます。
貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう):左に資産、右に負債と資本。会社の財政状態を表す。
左に資産、右に負債と資本を書いた表を貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)といいます。「貸借」、つまり、持っている資産(左)と、その資産を手に入れるためのお金の出所(右)を照らし合わせる表という意味です。この表は、会社の財政状態を表しています。
損益計算書:左に費用、右に収益。一定期間の経営成績を表す。
左に費用、右に収益を書いた表を損益計算書といいます。この表からは、ある期間に使ってなくなったお金(費用)と、同じ期間に自分で手に入れたお金(収益)の内容がわかります。また、費用と収益の差額として利益が計算されます。そのため、この表は、会社の経営成績を表すとされます。