放置すれば失明も…「急性緑内障」と言われて家族で学んだこと

先日、父が眼科を受診し「急性緑内障になってもおかしくない」と診断されました。
「急性緑内障」は、発症すると短期間で失明に至る可能性のある、非常に危険な目の病気です。
受診のきっかけは、片目の視力が落ちたことと、左右の目の明るさの感じ方に違いがあったことでした。
診察の結果、これから毎日の目薬治療を始め、1か月後には手術を受けることになりました。
家族で「とにかくなる前に気づいてよかった」と胸をなでおろしたものの、まだ予断を許さない状況です。手術までの間に、どうすれば発症リスクを下げられるのか。
父から聞いた話だけでは分からないこともあったので、今回「急性緑内障」について調べ、学んだことを家族にも共有したいと思います。
急性緑内障とは?
急性緑内障は、目の中の水(房水)の排出口である「隅角(ぐうかく)」が詰まり、房水が目の中にたまり、急激に眼圧が上昇することで起こります。
父の場合、隅角が狭くなっており、いつ詰まってもおかしくない状態とのことでした。
この「狭まり」を解消していくこと(=眼圧を下げること)が、発症を防ぐために重要です。

今は、医師から処方された目薬で眼圧をコントロールしつつ、1か月後に手術で隅角の狭まりを物理的に解消する予定です。
手術は白内障手術
今回受ける手術は「白内障手術」です。
白内障手術とは、水晶体(目のレンズ)を取り除いて、人工の眼内レンズに入れ替える手術です。
この手術によって目の中にスペースが生まれ、狭くなっていた隅角が広がり、房水の流れもスムーズになります。
成人の水晶体の厚みは約4mm、人工レンズは約1mm程度なので、その差分で目の中に余裕が生まれるという仕組みです。

正しい目薬の差し方を知る
眼圧を下げるためには、目薬をきちんと差し続けることが不可欠です。
しかし、正しい方法で差さないと十分な効果が出ないこともあります。
意外だったのが、「目薬を差した後に目をパチパチしないこと」がとても重要だということ。
私自身、目薬を差したらすぐパチパチしていましたし、父も知らなかったようでした。
説明書をよく読むと、「目薬を1滴差したら、1~3分目を閉じて、目頭を軽く押さえる」と書いてあります。
なぜなら、目と鼻はつながっており、まばたきすると目薬が鼻に流れてしまい、目にとどまらないからです。

日常生活で眼圧を上げないためにできること
現時点では、目薬以外に眼圧を下げる直接的な治療法は見つかっていません。
しかし、眼圧を上げてしまう行動を避けることで、リスクを減らすことができます。
1.スマホ・パソコン使用は休憩をはさむ
近くのものを長時間見ると、眼球が伸びて近視が進む可能性があります。
そして「近視の人は緑内障のリスクが約2倍になる」とも言われています。
スマホやパソコンを見るときは、40cm程度離して、1時間ごとに2〜3分目を休めることを意識しましょう。

父は社長業でパソコンに向かっている時間が長いので、定期的な休憩が重要です。
2.目をこすらない
「目をこする」ことも眼圧を急上昇させる原因になります。
眼球を圧迫したり、強く目を閉じたりすることは避けましょう。「急性緑内障発作」を招いてしまう恐れもあります。
私自身も最近は気をつけているのですが、無意識に目をこすってしまうことがあります。「目を触らない」という意識づけを続けることが大事ですね。
最も父がやってはいけない動作なので、父には毎日「目をこすったらヤバイ!」と言い続けようと思っています。

3.水分の一気飲みを避ける
水を一気に飲むと、房水の量が増えて眼圧が上がる可能性があります。
特に500ml以上を短時間で飲むのは避けたほうがよさそうです。
1回の水分補給はコップ1杯(150〜250ml)にとどめ、こまめに飲むのがベスト。

職人をやっていると、夏場に1L一気飲みしてしまうこともあるので、作業中でも水分をこまめに取れるよう、手元に常に水を置いておくことが大切です。
今回、父の診断をきっかけに「急性緑内障」について家族で話し合い、改めて目の健康について考える機会になりました。
「早く気づけてよかった」とは言っても、発症のリスクはまだ残っています。日々の生活でできる対策をしっかりと行いながら、無事に手術を迎えられるようサポートしていきたいと思います。