サクッとわかるビジネス教養 決算書

読んだ目的
家業の現状をきちんと把握するために、まずは決算書を読み解けるようになりたいと思い、本書を手に取りました。
特に知りたかったのは、
- 決算書の中で、どこを重点的に見ればいいのか
- 他の会社が、決算書をどう活用して経営戦略を立てているのか
という点でした。感覚だけでなく、数字をもとに家業の状態を把握したいという思いがありました
読んでよかったところ
まず、図を多く使って解説されていて、決算書を初めて見る自分でもスラスラと読み進められました。数字や専門用語が多くてとっつきにくいイメージだったのですが、いい意味で裏切られました。
また、有名企業の決算書を比較しながら、
- 売上総利益率
- 流動比率
- 固定長期適合率 ect
といった、文字だけでは理解しにくい指標をわかりやすく説明してくれていて、「こういう視点で決算書を見るのか」と納得しながら読み進められました。
決算書って、見るだけでこんなに多くのことがわかるんだ…!と驚きましたし、〇〇率といった指標をいくつも出して、多角的に分析していくことの重要性も実感できました。
家業の決算書で実際に計算してみて
本を読んでいるうちに、「これ、自分でも実際に計算してみた方が理解できるな」と思い、家業の決算書を手元に置いて、実際に手を動かしながら読み進めました。
正直、最初は「何が重要なのか」もわかっていない状態だったので、とりあえず本書で紹介されていた〇〇率(収益性や安全性に関わる指標)を、6年分すべて算出してみました。
その結果見えてきたのは、
- 経営計画が立てられていないためか、数値に一貫性がなく、年によってバラつきがある
- とはいえ、短期・長期の支払能力を示す指標は安定しており、倒産リスクは低そう
- コロナの影響もあり、黒字と赤字が混在していて、ならして見るとプラスマイナスゼロに近い状態
という状況でした。
私自身、家業に関わるようになってまだ3か月ですが、社長をはじめ、社員のみなさんが本当に一生懸命働いているのはよくわかります。でも、利益が出ておらず、社員の給料も思うように上げられない…。ただ受けた仕事をこなしているだけでは、この先厳しいのではないかと感じました。
この本を読んで、数字から現状をしっかり把握すること、そして経営計画を立てて少しずつでも改善していくことの大切さを改めて感じました。自分たちにできるところから、一歩ずつはじめていきたいと思います。